山頂から見る朝焼けの様子

登山

【2026全国版】憧れの初日の出登山!おすすめの山を紹介

2026年の幕開け。
新しい一年の始まりを、どこで迎えようか迷っていませんか?

初詣や自宅でゆっくり過ごすお正月も素敵ですが、少し早起きをして山へ向かい、山頂から昇る「初日の出」を浴びる体験は、人生観が変わるほどの感動を与えてくれます。

「でも、冬の山は寒そう…」「初心者でも大丈夫かな?」

そんな不安を持つ方のために、今回は登山初心者でも安心して登れる全国のおすすめスポットを厳選しました。

(※2026年の初日の出に向けた最新情報を元に、関東・関西・東海エリアを中心に紹介します。2026年の初日の出情報は、「初日の出フリーク」でチェック。)

絶景スポットの紹介はもちろん、絶対に失敗しないための服装や装備も徹底解説。

澄み渡る空気とパノラマの中で、最高の2026年のスタートダッシュを切りましょう!

新年を山頂で迎える!初日の出登山の魅力とは?

新しい1年の幕開けを告げる初日の出。近所の見晴らしの良い場所から眺めるのも素敵ですが、あえて寒さと暗闇の中を歩き、山頂から望む「ご来光」は、言葉では言い表せないほどの神々しさがあります。

初日の出登山の最大の魅力は、なんといってもその「達成感」です。氷点下の冷気の中、ヘッドライトの灯りを頼りに登り続け、頂上で待つこと数分から数十分。地平線や雲海から太陽が顔を出した瞬間、それまでの疲れが一気に吹き飛び、圧倒的な感動とともに新しい年を迎えることができます。

また、山頂は空気が澄んでおり、街中で見るよりも太陽が近く、力強く感じられます。2026年という新しい年を、「非日常」の絶景とともに最高のモチベーションでスタートさせること。これこそが、多くの登山愛好家を惹きつけてやまない理由なのです。

【重要】初日の出登山に必要な服装・装備と注意点

初日の出登山は、最も気温が低い真夜中から明け方にかけて行動します。普段のハイキングとは環境が全く異なるため、冬山専用の装備と心構えが必須です。ここでは初心者が特に気をつけるべきポイントを解説します。

氷点下対策!必須の防寒具とレイヤリングのコツ

山頂での日の出待ちは、想像を絶する寒さです。重要なのは、汗冷えを防ぎ体温を逃がさない「ベース」「ミドル」「アウター」の重ね着(レイヤリング)です。

行動中は汗をかかないように通気性の良いウェアを選び、山頂での停滞時(日の出待ち)に着用するための厚手のダウンジャケットを必ずザックに入れておきましょう。また、耳まで隠れるニット帽や手袋、厚手の靴下など、末端の冷え対策も忘れてはいけません。

暗闇を歩くためのヘッドライトと予備電池の準備

日の出前は真っ暗な山道を歩くことになります。足元の安全を確保し、両手を常に空けておくために、ヘッドライトは必須装備です。スマートフォンのライトだけで登るのは、転倒や滑落のリスクが高まるため絶対にNGです。

また、低温下ではバッテリーの消耗が劇的に早くなります。ヘッドライトの予備電池(または予備バッテリー)は必ず用意し、携帯電話も寒さで電源が落ちないよう、ホッカイロと一緒に懐に入れて保温するなどの工夫が必要です。

初心者が気をつけるべきマナーと登山計画書の提出

初日の出登山は登山道が混雑しがちです。無理な追い越しは避け、譲り合いの精神を持ちましょう。特に暗闇では周囲が見えにくいため、前の人との間隔を十分にとることが事故防止につながります。

そして、どんなに低い山であっても遭難のリスクはあります。万が一に備え、家族に行き先を告げるとともに、必ず「登山計画書(登山届)」を提出してください。現在は「コンパス」や「YAMAP」などのアプリから簡単に提出が可能です。

【関東エリア】絶景とアクセスの良さが人気!おすすめの山3選

関東エリアには、都心からのアクセスが良く、ケーブルカーやロープウェーを使って比較的楽に登れる山が多く点在しています。初心者から中級者まで楽しめる、人気の初日の出スポットをご紹介します。

高尾山(東京都)|ケーブルカー利用で初心者も安心

世界一の登山者数を誇る高尾山は、都心から約1時間という好アクセスが魅力。大晦日から元旦にかけてはケーブルカーとリフトが終夜運転(予定)を行うため、体力に自信がない方やファミリーにも最適です。

※2026年の運行情報は最新をご確認ください。

山頂からは八王子市街の夜景と共にご来光を拝むことができます。ただし、非常に人気が高いため、山頂付近は激しい混雑で入場規制がかかる場合もあるので、早めの到着を心がけましょう。薬王院での初詣も合わせて行えるのが嬉しいポイントです。

筑波山(茨城県)|関東平野を一望する大パノラマ

「西の富士、東の筑波」と称される名峰。男体山と女体山の2つの峰を持ちますが、初日の出を見るなら東側に視界が開けている「女体山」の山頂がおすすめです。

例年、元旦は早朝からケーブルカー・ロープウェーが特別運転されます。山頂からは広大な関東平野を一望できる大パノラマが広がり、天気が良ければ遠くに富士山も見えます。遮るものがない地平線から昇る太陽は圧巻の一言です。

塔ノ岳(神奈川県)|富士山と初日の出の奇跡のコラボ

丹沢連峰の表尾根に位置する塔ノ岳は、ご来光登山として非常に人気がありますが、しっかり歩きたい登山好き向けの山です。通称「バカ尾根(大倉尾根)」と呼ばれる長い登りを越えた先には、相模湾から昇る初日の出と、朝日に染まる「赤富士」を同時に楽しめる贅沢な絶景が待っています。

ケーブルカーなどはなく、往復6〜7時間程度の歩行が必要なため装備は万全に。山頂の尊仏山荘付近は風を遮るものがなく強風が吹くことが多いため、極寒に耐えうるダウンなどの防寒着が必須です。

【関西エリア】歴史と夜景を楽しむ!おすすめの山3選

関西エリアの初日の出スポットは、日本三大夜景の一つである神戸や、大阪平野を見下ろせる眺望の良さが魅力です。夜景から朝焼けへと空の色が変わっていくドラマチックな光景は、関西の山ならではの楽しみ方です。

金剛山(大阪府・奈良県)|ライブカメラでも有名な人気スポット

大阪府の最高峰である金剛山は、年間を通じて多くの登山者が訪れる人気の山です。山頂広場にあるライブカメラは有名で、大勢の登山者が映り込みながら初日の出を待つのが恒例行事となっています。

比較的整備された登山道ですが、冬は積雪や凍結が多いため、軽アイゼン(チェーンスパイク)の携行が必須です。運が良ければ、木々に氷がつく美しい「霧氷(むひょう)」とご来光のコラボレーションが見られるかもしれません。

生駒山(奈良県・大阪府)|遊園地からの眺望も魅力

大阪と奈良の県境に位置する生駒山。山上の「生駒山上遊園地」周辺は視界が開けており、奈良盆地側から昇る厳かな初日の出を拝むことができます。

「生駒ケーブル」を利用すれば山頂近くまでアクセスできるほか、信貴生駒スカイラインを利用して車でのアクセスも可能です(※年末年始の営業・通行時間は要確認)。駐車場から歩く距離が短いため、小さなお子様連れのファミリーや、体力に不安がある方にも強くおすすめできるスポットです。

六甲山(兵庫県)|1000万ドルの夜景から迎える朝

神戸のランドマークである六甲山は、夜景スポットとして名高い場所ですが、初日の出の名所としても一級品です。特に「六甲ガーデンテラス」などの展望スポットからは、大阪湾から昇る太陽が水面を照らす幻想的な風景が楽しめます。

六甲ケーブルや六甲有馬ロープウェーなどの交通機関が充実しており、元旦の早朝運転が行われることが多いためアクセスも抜群。おしゃれなテラスやカフェもあり、「1000万ドルの夜景」を楽しんだ後にそのまま初日の出を迎えるという、ロマンチックな新年を過ごしたい方に最適です。

【東海・中部エリア】富士山を望む!おすすめの山3選

東海・中部エリアでの初日の出登山の醍醐味といえば、やはり日本一の山「富士山」の眺望です。「初日の出」と「富士山」という2つの縁起物を同時に拝める、贅沢なスポットを中心にご紹介します。

竜ヶ岳(山梨県)|ダイヤモンド富士の聖地

本栖湖の南に位置する竜ヶ岳は、年末年始の時期に、太陽が富士山の山頂から昇る「ダイヤモンド富士」が見られる聖地として有名です。

富士山の背後から放たれる光が山頂で輝く瞬間は、まさに神業。多くのカメラマンや登山者が押し寄せるため、場所取りは激戦となります。コースは整備されていますが、笹原の登山道は風を遮るものがないため、顔が痛くなるほどの防風・防寒対策をして挑んでください。

金華山(岐阜県)|ロープウェーで手軽にアクセス可能

岐阜市のシンボルである金華山。山頂には岐阜城がそびえ立ち、歴史ファンにも人気のスポットです。例年、「金華山ロープウェー」が元旦の早朝から特別運転を行うため、体力を使わずに山頂へアクセスできます。

展望台からは濃尾平野を一望でき、天候に恵まれれば遠くに御嶽山や中央アルプスの山々も望めます。お城と初日の出という「和」の絶景を楽しみたい方におすすめです。

浜石岳(静岡県)|眼下に広がる駿河湾と富士の絶景

静岡市清水区と由比の境にある浜石岳は、標高707mと低山ながら、360度遮るもののない大パノラマが広がる隠れた名山です。

特筆すべきは、眼下に広がる駿河湾と、その向こうにそびえる巨大な富士山のコントラスト。海から昇る初日の出に照らされて、富士山が赤く染まっていく「紅富士」の美しさは圧巻です。山頂近くまで車で行ける(※台数限定・道幅狭小につき注意)ため、歩行時間を短くしたい方にも人気です。

失敗しないために!2026年初日の出登山の攻略ポイント

せっかく準備をして現地に向かっても、「駐車場が満車で停められなかった」「雲の中で何も見えなかった」という失敗談は後を絶ちません。2026年の初日の出を確実に拝むために、事前のシミュレーションと情報収集が成功のカギを握ります。

激混み必須?駐車場の確保と混雑回避の時間帯

人気の山(特に筑波山や高尾山周辺など)の駐車場は、大晦日の深夜(日付が変わる前)には既に満車になることが珍しくありません。「日の出直前に着けばいい」という考えは捨て、数時間前には現地に到着し、車内で仮眠を取って待機するくらいの余裕が必要です。

また、登山口までの道路は深夜に路面凍結するリスクが高まります。ノーマルタイヤでの走行は非常に危険ですので、必ずスタッドレスタイヤの装着かチェーンの携行を行ってください。公共交通機関の「終夜運転」を利用するのも、渋滞回避の賢い手段です。

天気予報の確認と各エリアの「日の出時刻」一覧

山の天気は変わりやすく、平地が晴れていても山頂は雲の中、ということもあります。一般的な天気予報だけでなく、「てんきとくらす(登山指数)」などの山岳気象情報サイトを直前までチェックしましょう。

また、日の出時刻は地域や標高によって異なります。

おおよその目安(平地)は以下の通りです。

・東京:6時50分頃

・大阪:7時05分頃

・福岡:7時20分頃

標高が高い山ではこれより数分早くなりますが、空が白み始める「マジックアワー」を楽しむためにも、日の出時刻の30分前には山頂(展望スポット)に到着しておくのがベストです。

まとめ:安全第一で最高の2026年の幕開けを

2026年の初日の出登山は、新しい一年をポジティブにスタートさせる最高のイベントです。寒さや暗さを乗り越え、自分の足で登りきった先にあるご来光は、きっと一生忘れられない思い出になるはずです。

しかし、どれほど低い山であっても、冬の自然は危険と隣り合わせです。「防寒対策」「ヘッドライト」「ゆとりある計画」の3点を徹底し、天候が悪い場合は決して無理をしない勇気を持って行動してください。

素晴らしい絶景とともに、2026年が皆様にとって飛躍の年となることを心より祈っています。準備を万全にして、お気をつけていってらっしゃい!

  • この記事を書いた人

登山ガイドヤッホー

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