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焚き火の神様

焚き火の神様①

 「あんたは兄弟の中で飛び抜けてオネショが治らなかったわ。」と母が笑う。
  また始まった。すでに40歳を過ぎた大のオトナが親戚一同の集まる席で毎年のようにオネショの話題で笑いものにされるんだからたまったもんじゃない。
  でも、事実だから仕方ない。自分でもハッキリと覚えている。何故なら、オネショにはちゃんと「原因」があったのだから。

  私が小学校の低学年だった当時、私の実家はかなりの地主で大きな庭があり、私は竹ボウキで庭を掃くのが日課だった。
  秋~冬にかけてはたくさんの落葉を掃き集めて、毎日のように落葉焚きをしていた。もちろんコドモで、やんちゃだった私がおとなしく焚き火をしている筈もなく、 コーラの瓶を火の中に入れて熱したあとに冷たい水の入ったバケツに投げ入れて瓶を割ったり、こっそりストーブから灯油を抜き取って火の中に投げ込んで炎上させたりと、イタズラばかりをしていた。
 「火遊びするとオネショする。」と、昔の人は言うけれど、まさにその通り。焚き火の神様が私にバチを与えていたのではないだろうか。

  とある寒い冬の日。小学校から帰ると、母は買い物に出かけていて家には誰もいなかった。たったひとり留守番をしていると、寒さに凍えそうになった。
  電気ゴタツに飛び込んでスイッチを入れると、あれ?電源が入らない。どうやら壊れているらしい。石油ストーブをつけようとすると、ん?肝心の灯油が入っていない。
落ち葉
  たまらず私は庭に飛び出し、落ち葉を掃き集めて焚き火をはじめた。
「わぁ、あったか~い。」その優しい暖かさに夢中になった私はイタズラなんて忘れて、じっと火だけを見つめていた。
  生まれてはじめての、イタズラの為ではない、暖をとるための焚き火。
  私はちょっぴりオトナになった気がした。

  すると突然、背後から「あったかいじゃろ?」と、優しい老人の声が聞こえた。
  驚いた私が振り返ると・・・そこには誰もいなかった。
  今になって考えると、あれは、きっと焚き火の神様が、私に本当の焚き火の楽しさを教えてくれたのだろう。
  その日以降、もう二度とオネショをすることはなかった。

--つづく--
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