芳須という姓について
芳須(よしず)という名字はとても珍しく、私が子供の頃には電話帳で調べても、数世帯しか載っておらず、「顔なじみ」の親戚以外は見当たりませんでした。
小金井風土記によると『元文年間(1736-1740)、代官川崎平右衛門が玉川上水堤に桜を植えることを命ぜられ、桜並の地(現在の東京都小金井市本町一丁目、中町三丁目の全部と、本町二丁目、緑町五丁目の一部を含む農工大学西側の地域)で苗木を育てた。
その桜樹木の管理人として、国立・青柳方面から移転してきたのが芳須家の先祖で、そのころの姓は「吉沢」だった。しかし、明治八年の戸籍法改正の時になんらかの手違いで芳須姓に変わってしまった。』とあります。
明治維新、戸籍法改正の混乱のなか、手違いで生まれた姓なのですから、他にいなかったというのも肯けます。
その後、約140年という長い年月の中で数世代に繋がれ、芳須姓は他の地方にも広がりました。
現在では、盆や新年といった行事の折に全親戚一同が「本家」に集まるようなこともなく、正確に把握できていないのですが、おそらく、全国にいる芳須姓の方達は、遠かれ近かれ親戚関係にあると思われます。
毎年、春になると小金井市は「小金井桜」の花見客(約150万人)で賑わいます。
ご先祖さまの活躍が約270年後の今も、小金井に根付いていることを、とても誇らしく感じております。
追記:
姓名分布サイトで検索すると、2007年10月までに発刊された全国の電話帳に掲載されている約2,338万世帯のうち、芳須は僅か22世帯しかありません。そのうち18世帯が東京都(小金井市9、府中市4、調布市2、三鷹市2、あきる野市1)でした。東京都以外では、北海道2世帯、神奈川県1世帯、埼玉県1世帯でした。